話し方のヒント


人前であがらないために

人前であがるのはどうしてでしょうか。
「失敗したら恥ずかしいから・・・」
「とちって笑われたら嫌だな・・・」
こんな気持ではありませんか?
こういう気持ちをちょっと考えてみてください。この気持ちはすべて自分に向いている自分中心の考え方です。
人前で話しているのに、話している相手のことを忘れて自分のことしか考えていません。
人前であがる、緊張するという方は是非一度、その時の気持ちを思い出してみてください。そして、もしも自分中心の考え方をしているならば、目の前にいる、今あなたが話そうとしている相手のことを考えてみてください。あなたがきちんと相手のことを考えて、「うまくしゃべれないけれども一生懸命皆さんにわかるように話しますね」という気持ちになれたら不思議に落ち着きますし、話し手の誠意が相手に伝わって、相手の温かい思いも感じられるようになりますよ。
あがるというのは相手のことを忘れて自分本位になってますよという戒めのサインなのです。

上を向いて話そう

 昨今、政治家の失言が目につきますが、あまりに幼いレベルの失言で呆れてしまいます。
 言葉は一度口から出たら取り返しがつきません。口にする前に考える習慣をつけたいものです。
 そして、普段から人の批判や悪口、愚痴などマイナスエネルギーの言葉は口にしないようにしたいものですね。
 でも、人間ですから愚痴を言いたいときもあります。どうしても愚痴を言いたいときは、それを愚痴だと承知したうえで口にすること、そして、できれば上を向いて言いましょう。マイナスエネルギーの言葉を言うとき、人はたいてい下を向いているものです。上を向いて発言するとそれだけで解決策が見えてきたりもします。「上を向いて話そう」です。

婚礼スピーチのポイント

簡潔に
①新郎新婦との関係を列席者にわかるように簡単に説明する。

②新郎新婦の微笑ましいエピソードを一つか二つ披露する。
 どんなに話したいエピソードがたくさんあったとしても、一つか二つにしぼること。
 新郎の友人にありがちな暴露話はNG!

③二人へのはなむけの言葉でしめくくる。

友人中心の二次会はともかく、披露宴の席は公式の場と心得るようにしましょう。
スピーチの長さを聞くと、5分か10分と答える方がよくいらっしゃいます が、5分と10分はえらい違いです。スピーチは3分程度にまとめた方が好印象につながります。

人に伝わるように話すためにはどうしたらよいのでしょうか?

 人に情報を的確に伝えるためには、「いつ、どこで、誰が、何を、どうした」を話すのが基本ですが、それはあくまで情報の伝え方です。
  その基本に加えて、目に映るものの色、風の匂い、音など、その場の情景がいききいきと伝わるように話さなければ、話に面白みがありません。

何を伝えたいかを明確にする

 そのための基本は、伝えたい思いを明確にすることです。
自分が体験して、心の底から誰かに話したい、聞いてもらいたいということは、誰でも生き生きと話せます。
 それが、朗読(人の書いた文章を読む)となると、気持ちがこもらなくなるのは、作者が本当に何を伝えたいのか、その場面で一番何に感動しているのかをしっかりつかみ取っていないからです。国語のテストに出てきた、「作者の言いたいことはなんでしょうか。」「作者は何を伝えたかったのでしょうか。」というのを常に考えて、作品を読みこなしてから、声に出すようにしましょう。

アクセントは気にするな

 たいていの朗読講座がアクセントの矯正を重視しているようですが、これは、プロを目指している方以外は必要ありません。もちろん、ちょっとした努力で共通語のアクセントになおるのでしたら、なおしたらよいでしょうが、アクセントに気をとられて気持ちの表現がおろそかになるようなら、アクセントは無視してください。
 確かに、チャキチャキの江戸っ子の主人公が方言のアクセントで話すのはおかしいかもしれません。ですが、それなら、翻訳ものの小説は一切朗読できなくなりませんか?
 シェークスピアの登場人物が、日本語を話すのがOKならば、方言アクセントの江戸っ子もOKでしょう。
 大切なのは、その言葉を通じて表現したい気持ちを的確に表現することです。

間は息遣いである

 朗読を学んでいる方たちが、アクセントに次いで間違ったことを教えられるのが、「間」についてです。句読点のまる(。)のあとは3秒、点(、)の後は2秒あけるなどという教え方をしているところもあるようですが、とんでもない話です。
 みなさんは、そんなことを考えながら会話をしていますか?話の「間」というのは、相手のリアクションを待つ「間」だったり、こちらの気持ちを切り替える「間」だったりします。朗読をするうえで「間」の取り方がよくわからない言う方は、普段の自分の会話を意識してみましょう。ベテラン落語家さんの落語を聞くのも勉強になります。若手落語家さんは「間」の悪い人が多いのであくまでもベテランの方を参考にしてくださいね。

発声練習、発音練習の意味

 発声練習や発音練習というのは、表現するための声を作り上げるために必要な作業です。板前さんが包丁を研ぐのと同じです。どんなに腕の良い板前さんでも錆びた包丁では思うような料理はできないでしょう。
 どんなに良い感性を持っていて、表現したいことが明確になっていても、それを伝える手段としての「声」が出来上がっていなければ、相手に伝わりません。
 そこで、発声練習、発音練習が必要になってくるのです。

基本は腹式呼吸です

 腹式呼吸といっても、胃や腸に空気が入るわけではありません。横隔膜をコントロールすることで、空気の入るスペースを広げるのが腹式呼吸の目的です。空気の溜まる部分が広ければ、一息で読める文章が長くなりますし、豊かな声量が得られるので、それが、豊かな表現に繋がるということです。

口の体操をしましょう

 発音練習は、一般的によく知られている早口言葉などです。
顔には表情筋というたくさんの筋肉がありますが、筋肉だけにトレーニングをしていないと動きが悪くなるのです。ですから、大きな口を開けて、発音練習を繰り返すのは、顔の筋肉のストレッチというわけです。  

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